脳外科医 福島孝徳先生 まとめ

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福島式マイクロ吸引管の誕生秘話

図書館での偶然の出会いが開発につながった

福島式マイクロ吸引管の“福島”という名前は、世界的に有名な脳神経外科医の福島孝徳医師(1942~現在)のことを指しています。

福島式マイクロ吸引管は、1980年、Dr.福島が東京の三井記念病院に勤務していたときに開発の話が生まれました。その場所は、なんと病院の図書館でした。

ある日、医療機器メーカーの営業マンが、開発に携わった手術器械を説明するために、ある消化器外科医を訪ねました。偶然、Dr.福島は、消化器外科医の近くの席に座っていました。営業マンが、Dr.福島にも挨拶をしたことが、福島式の脳外科手術器械が開発されるきっかけです。

脳神経外科の手術は、肉眼からマイクロ下、そして鍵穴手術へ

1970年以前は、脳神経外科の開頭手術を直視下で行っていました。そのため、頭部を大きく開いて術野を広く確保し、脳の深部へと術野を展開していました。

1970年に入ってからは、欧米も含めマイクロ下手術の時代に入り、開頭の大きさも少し小さくなりました。術式にもよりますが、直径5cm程度の開頭でも、手術が可能となりました。

やがて、Dr.福島は、さらに小さな切開創(直径1cm~2cm)からアプローチする「鍵穴手術」という術式を開発、確立させました。

開発に3年を費やした世界スタンダードの器械

1980年以降、Dr.福島は手術方法の改良に心血を注ぎました。そして、「鍵穴手術」が確立されました。この術式は、手術そのものが非常に高度、小さな開頭で手術を行うためこれまでの手術器械では対応できないため、Dr.福島は、自らの手技手法に必要な多くの手術器械の開発に関与してきました。なかでも、福島式マイクロ吸引管には、開発におよそ3年の月日を費やしました。

福島式マイクロ吸引管は、手になじむ形状で、自在に吸引圧が調整できる独自のデザインが好評で、現在、世界中の脳神経外科医に使用され、マイクロ下手術では欠かせない器械です。

 

memo多くの器械を開発したDr.福島

Dr.福島の頭の中には、吸引管だけではなく、マイクロ下で使用する剪刀や、脳ベラなど、複数の新しい器械の構想があったそうです。Dr.福島が、サイズや形状、その特徴まで、細かく手書きで指示した「開発指示書」を元に、何度もトライアルを重ねながら、商品化に向けた開発が行われました。

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