脳外科医 福島孝徳先生 まとめ

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京都大学 こころの未来研究センター|福島孝徳先生インタビュー すべてを患者さんのために

      2017/09/06

すべてを患者さんのために
福島孝徳先生インタビュー

出典:学術広報誌「こころの未来」第10号 2012年 7 月20日

聞き手 川左紀子(こころの未来研究センター長) Sakiko YOSHIKAWA
鎌田東二(こころの未来研究センター教授) Thoji KAMATA
阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授) Nobuhito ABE

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1 週間に8日働く

福島先生は、アメリカを拠点にして、日本をは じめ、世界各地を飛び回って手術をされていますね。

福島 いまアメリカが8か月、南米・ヨーロッパが 1 か月、日本が3か月という生活です。 1 年間に約600例 のむずかしい脳神経外科の手術をしています。本拠地 のアメリカで300例、それ以外の国で300例です。 今日は日本に来てちょうど 1 週間目ですが、ロスア ンゼルスから東京に着いてすぐ大阪へ向かい、それか ら福岡、鹿児島、函館、釧路に行って東京に戻り、昨 日がまた大阪、そして今日は滋賀です。

鎌田 先生のご本に「世界一忙しく働く医師」とあり ますが、まさに殺人的なスケジュールですね。何十年 もそんなふうにお仕事をしていらっしゃるのですか。

福島 そうですね、30年以上同じ生活です。私の信念 は、自分の天職に誇りと使命感を持って全力を尽くす ということで、「すべてを患者さんのために」を座右の 銘にしています。 患者さんの大切な健康を守るのに、休んでいられな いのです。いま日本だけでも私の手術を待っている人 が約300人いますから、夜を日に継いでやっていたっ て間に合わないのです。 私は人が休む土日、祝祭日ほど仕事をしています。年の暮れ、正月も休まない。休むのは罪悪だと考えて いますから。休みの日は交通渋滞もないし、病院を回って、どんどん仕事をして患者さんを助けることがで きます。ぶっ通しで働くので、「福島先生は 1 週間に 8 日働く」と言われています。

先生のそういうやり方は、お若いときからですか。

福島 そうですね。日曜日とか人が寝ている夜中に勉 強して差をつけていました。

「鍵穴手術」の確立

福島先生は脳外科が専門でいらっしゃいますが、とくにむずかしい手術ばかりされているのですか。

福島 脳外科の手術のレベルは 1 から10までありま す。 1 ~ 3 はやさしいもの、 4 ~ 6 が普通のもの、 7 ~10はむずかしいものです。 7 以上のレベルの手術が できるのは、日本全国の脳神経外科医8,000人の中で10 人くらいじゃないでしょうか。私のやっているような 複雑困難な脳腫瘍の手術ができる人は 1 人もいません。

手先の器用さという点では、日本人は優秀だと 思いますが。

福島 日本は脳卒中の患者さんが多いので、脳卒中、 脳血管系の手術は上手な人がけっこういます。おそら く、日本の脳外科医の脳血管手術の技術は世界のトッ プクラスだと思います。しかし、その人たちもせいぜ いレベル 5 、 6 ぐらいまでで、レベル 7 ~10のむずか しい巨大脳動脈瘤や頭蓋底腫瘍は、ほとんどの日本の 脳外科医には手に負えないでしょう。

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